引用の「出所の明示」について、覚え書き
引用についていろいろ調べてみたので、自分が覚えておくための覚え書き記事です。法の解釈が間違っているかもしれませんのでご了承ください。
まず、引用の「条件」については、諸Webサイトにてわかりやすく紹介されているので、それを参照されたし(参考:https://pf.bunka.go.jp/chosaku/chosakuken/naruhodo/answer.asp?Q_ID=0000304)。条文だけではなく、判例をもとに「だいたいこういう条件」とされているようだった。
さて、個人的に気になっていたのは出典元を「どう表記すればいいんだ」という問題である。
諸Webサイトの中には「本の場合はこう」「Webサイトの場合はこう」といった具体的な書き方を示してくれているものもある。それはそれでありがたい。
しかし、それだとなんとなく枝葉末節な感じがして、「結局、何を示せばいいの?」というモヤモヤがぼくの中に残るわけだ。
ということで、著作権法の、対応する条文を調べてみた。これは第48条の「出所の明示」というのがそれらしい。
第48条と、その2項を引用しよう。
・第48条
次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。・第48条 2項
2 前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。電子政府の総合窓口 e-Gov[イーガブ](https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=345AC0000000048)
これによれば、まず、引用するには「出所」を示さなければならない、とされている。
出所というのはつまり、「その著作物を【特定】するための情報」ということになるだろう。
例えば本の場合は、「著者名」「出版社」「発行年」「ページ数」あたりがあればだいたい特定できることになる。
ではWebはどうか、というと、Webの場合は本と違って「URL」という固有のアドレスを持っている。
なので、URLさえを示せば「最低限の出所の明示」にはなるのではないか、と思う。
ページタイトルの掲載なども、極論、不要かもしれない。
しかし、2項の方にはもう一つ条件が書いてある。
・出所の明示に伴って著作者名が明らかになる場合を除いては、著作権者名を示さなければならない(要約)
つまり、「著作者名」の表記も必要になるということだ。
本の場合なら、本を特定するために「著者名」を書くことが多いから、その時点で問題はない。
ただ、Webの場合は「URL」だけで出所を示すケースで考えると、そこには著作者の名前は入ってこない。
それはアウトだ。だから、「URL」と共に、「著作者」の名前を表記しないといけないということになる。
まとめると、こうなる。
- 引用の「出所の明示」では、「著作物を特定する情報」と「著作者名」の記載が必要
- 特にWebの引用では、「著作者名」の記載し忘れに注意が必要