かつ消えかつ結ブログ

日々、ポッと浮かんだ考え事を書く遊び場。哲学風味。

登山中、熊と出会ってしまった

先日の南アルプスの某山を登山中、熊に出会った。
山に登る方や山菜採りの方々にとってはよくあることなのかもしれないが、私は生まれてはじめてだったので記録として残しておく。

出会いは午前11時。ほとんど下山を済ませて、車を置いた登山口まであと20分の距離。車も走れる林道、砂利道を歩いていた。

先に気づいたのは先方。こちらは、彼のガサガサッと逃げる音でようやく気付く。相手が立ち止まったところで、およそ20mの距離があった。

【熊の基本情報】
・熊は臆病な動物
・雑食だが、植物をメインに食べる
・危険なのは、子供連れの母熊(子供を守るために攻撃的になる)

このあたりは知っていた。相手は一匹だったし、攻撃される可能性は低いだろうとも思った。

しかし、知っていることと、実際に経験することは全然違う。足が勝手に震える。
こちらを見ている相手の様子を探りながら、少しずつ後ずさり。

50m以上の距離をとって、警察に通報。教えを請うた。

・危険なのは、「子連れの母熊」もしくは「近距離での不意の出会い」。今回、相手は一頭で、また、相手が先に気づいて逃げたということは、人間に近寄りたくない、ということ。
・確実とは言えないが、攻撃される可能性は低い。様子を見つつ、笛や声などの「音」をたてて人間の存在を知らせながら下山してほしい。

教えの内容については知っていることも多かったが、何より、人と話すと安心できる。
また、熊と出会って気が動転していると、知っている知識もド忘れしたりして活用できない。

そういう意味では、本当に助かりました。警察(山岳救助隊)の方、ありがとうございました。

その後、警察との電話やら様子見やらで30分ほどその場に待機。木の枝を拾い、石をぶったたいたり、指笛を吹いたりしながら無事下山。正直怖かった。


・熊鈴を買うべきか否か

今回は無事だったし、広く見通しのよい道だったので「近距離での不意の出会い」は避けられた。しかし、そんなケースばかりではなかろう。熊鈴でも買って、備えようか、と考えた。

しかしながら熊鈴は悪名高い。
私も、申し訳ないが「うるさいな」と思っていたタチだ。
ごめんなさい。本当に必要なときはあると思う。

でも、私は熊鈴を買うのはやめようと思う。考えたのは以下。

・熊と出会う確率はなかなかに低く、攻撃される可能性はさらに低い
・しかし、熊鈴は常時鳴るのでうるさい
・消音機能付きの熊鈴もあるが、オン/オフの判断が面倒
・そもそもオン/オフを判断できるならば、熊が出そうなところでは手を叩いて音を出す、指笛を吹くなどで対処可能


要はリスクとリターンが合わないのではないか、ということ。
死のリスクをどこまで重く見るべきか、はあるが、拍手や指笛で音をたてることで、熊鈴の代用にはなるだろう、という判断である。

 

人間、危機に陥るとようやく行動するもの。

 

熊の本をさっそく買ったので、知識を得たい。

熊の本場、秋田でツキノワグマを研究して46年(書籍発行当時)。そんな方が書いた本のようだ。